FOR SALE ……オークション、フェアのためのタブロー




題:「長崎の聖母子」
サイズ:0号(はがき大)
完成:1997年4月
K.I.氏所蔵

日本児童文学者協会の機関誌「日本児童文学」自主発行を支援する即売イベント(1997年5月12日〜20日、東京新宿・紀伊国屋書店)のために描いた作品。

集平からひとこと……絵を売ったことがあまりないのですが、今回はひとはだ脱ぎました。戦後の児童文学の核であり続けた「日本児童文学」を失いたくないからです。売れない、引き受ける出版社がない、というので、とうとう彼らは自らやるしかないところまで追いつめられています。ぼくがしつこく今の出版は変だと書いてきたことが現実にこういう形であらわれると、わかっていたはずなのに愕然とします。ぼくは日本児童文学協会員ではないし、彼らのシンパではありませんが、大事に思っています。一度失ったものを取り返すことがどれほど困難か知っています。みなさんにも協力を呼びかけたいと思います。

初日一番に売れてしまいました!●購入してくださった方からのメール







題:「ハギさんの肖像」
画材:マーカーと色鉛筆
サイズ:A4(210mm×297mm)
完成日:1999年8月9日
A.S.氏所蔵

B型肝炎ウィルスから肝硬変となったコメディアンのハギさんこと萩原正人さん。手術費用のために親族友人が発足した「萩原正人さんを救う会」より依頼されて描いたチャリティ・オークションのための肖像画です。






題:「Whistling Old Shu」
画材:キャンバスボードにリキテックス
絵のサイズ:SM号(22.7センチ×15.8センチ)
制作期間:2000年10月20日〜11月2日
A.S.氏所蔵

画家の弁:ここんとこ、小さな自画像を描いていました。自画像なんてひさしぶりです。変な自画像です。老いぼれたぼくが海の見える小高い場所でティン・ホイッスルを吹いているんです。題は「Whistling Old Shu 笛吹きシューじいさん」。
世紀末フェアの目玉として描き出したんだけど、妙に思いが入っちゃって、仕上げまでに2週間かかりました。不思議な絵になりました。







題:「良い羊飼い」
画材:紙にリキテックス
絵のサイズ:2.9センチ×2.9センチ
制作日:2001年11月13日
E.Y.氏所蔵

「あなたがたのうちに100頭の羊を持っている者があるとする。そのうちの1頭を見失ったら、99頭を荒れ野に残して、見失ったその1頭を見つけ出すまで、跡をたどって行くのではないだろうか。そして、それを見つけだすと、喜んで自分の肩にのせて、家に帰り、友人や近所の人々を呼び集めて、『いっしょに喜んでください。見失ったわたしの羊が見つかりましたから』と言うであろう……」(ルカ15「見失った羊」)






題:「マグダラのマリア」
画材:紙にリキテックス
絵のサイズ:4センチ×4センチ
制作日:2001年11月13日
A.S.氏所蔵

──さて、その町に罪深い女がいて、イエスがファリサイ派の人の家で食卓についておられることを知り、香油の入った小びんを持って来て、泣きながらイエスの後ろから足元に近寄り、涙でイエスの足を濡らし、自分の髪の毛で拭き、そしてその足にせっぷんをして香油をぬった。(中略)イエスは女に「あなたの罪はゆるされている」と仰せになった。「彼女の多くの罪が許されたのは、彼女が多くの愛を示したことでわかる。少しだけ許される者は、少ししか愛さない」──(ルカ7)
その後マグダラのマリアは献身的にイエスに仕え、十字架の死も見守った。復活したイエスと最初に会ったのも彼女だといわれている。最も人気の高い聖人の一人である。






題:「良いサマリア人」
画材:紙にリキテックス
絵のサイズ:6センチ×6センチ
制作日:2001年11月14日
M.K.氏所蔵

「天の国に行くには、何をすればいいのでしょうか?」ある日、イエスはこのようにたずねられて、お答えになりました。「聖書には、どう書いてあるか?」「はい。心から神を愛し、自分のように隣人を愛すること。でも、隣人とはだれのことでしょうか?」
 これに答えるために、イエスはたとえ話を話されました。「ある男が、旅の途中で強盗に襲われました。彼らは男の持ち物をすべて奪って逃げていき、男は大ケガをして倒れました。少しして、神殿の祭司が同じ道を通りがかりました。しかし祭司は、倒れた男をちらっと見ただけで、さっさと行ってしまいました。そのすぐ後に、祭司の助手であるレビ人も通りがかりましたが、同じように行ってしまいました。次に、サマリア人がやってきました。当時サマリア人とユダヤ人は、敵対していました。しかし彼は倒れた男を見て、ロバから飛び降りました。そして男の傷の手当をして自分のロバに乗せ、近くの宿屋で手厚く看護をしました。しばらくして、サマリア人は出発しなければならなくなり、宿屋の主人にお金を渡して言いました。『あの男の方の世話をしてください。これで足りなかったら、後で戻ったときに払いますから』」
 イエスは、質問をした人にお聞きになりました。「強盗に襲われた男に、隣人としてふるまったのは、3人の中のだれだろうか?」「男を助けた人です」イエスは言われました。「そうです。あなたも同じようにふるまいなさい」(ルカ10「良きサマリア人のたとえ」)







題:「大工ヨセフ」
画材:リキテックス、色鉛筆、水性ペン
絵のサイズ:18センチ×24センチ
完成日:2002年12月18日
H.T.氏所蔵

絵「大工ヨセフ」について ●集平
画家からひとこと。オークション3年目に出品する絵は「大工ヨセフ」です。ヨセフについては、ぼくが去年書いた文章から抜粋して載せますので、それを読んでください。ぼくは自分が子どもと接する時はヨセフにならいたいと思います。女性と接するときもそうありたいと思っています。なかなか、うまくいきませんけどね。だから、あなたにならうことができますようにと祈ります。
今回の絵は働く日常人としての彼の姿をきちんと描きたいと思いました。陽射しは仕事場の外にあります。どんな陽射しよりも明るいものをもたらすために十字架への道を歩むイエスが、今はヨセフの手の上ですやすやと眠っています。
ケント紙にいろいろな画材を使って描きました。『音楽未満』の挿絵のスタイルに近いです。退色しにくい画材を使っていますから、直射日光とひどい湿気さえ避ければ、どんなところに飾っても大丈夫です。いつも見えるところに飾って、ヨセフのことを思い出してくださるとうれしいです。








題:「28年目のはせがわくん」
画材:ボールドキャンバスにリキテックス
絵のサイズ:3F(22センチ×27.5センチ)
完成日:2003年12月9日
K.K.氏所蔵

「28年目のはせがわくん」画家の弁●集平
今でも長谷川君たちをぼくは描けるだろうか、という不安を持ちながら描き始めました。緊張しました。四日市の児童書店メリーゴーランドのために昔のスタイルを模倣してコンピュータで葉書用の絵を描いた(今回のフェアに出品しました)ことはあったんですが、長い間、長谷川君たちを描くことを自ら禁じていました。振り返らず行こうと決めたのです。
28年目にして、長谷川君たちを今のぼくのスタイルで描いたのは、3回の絶版を乗り越えて『はせがわくんきらいや』がことし復刊されたことへの、感謝の捧げ物をしたいと思ったからです。昔の人は病気を治してもらったお礼に、神社に絵馬を捧げたでしょう。あれです。
絵本『とんぼとりの日々』を17年後にリメイクして『とんぼとり』として出した時のように、ぼくの絵は刻々と様相を変えてきています。経験を積み、技術的には向上しています。目は前に見えなかったものを見ています。かわりに失ったものもあるのです。この2冊が絶版なのはとても残念です。ふたつを比較すれば、ぼくが絵本作家という困難な稼業を投げ出さないで続けていることの意味を多少なりとも読みとってもらえるはずですから。
今回のこの絵に、ぼくはずっと大事にしてきたものを込めました。『はせがわくんきらいや』を描き終えた28年前の秋からここまで「ぼく」は長谷川君をおんぶしたまま歩き続けていたのです。ぼくが他のことをしている間もずっとです。
描き終えてホッとしました。まだぼくの絵はゆるんでいないぞ、前より明るくカラフルになってきたぞ、と自分で微笑むことができたからです。
この原画は陽性の力を持っています。この絵を所有してくださる人に元気をプレゼントできると思います。







題:「働くマリア」
画材:ケント紙に色鉛筆と水彩絵の具
絵のサイズ:25×20センチ
完成日:2005年12月21日
Y.T.氏所蔵

画家の弁●集平
 主婦マリアを描いてみました。夫ヨゼフの大工姿はよく描かれますし、ぼくも前に描いたことがありますが、マリアの日常を描いた絵は少ないです。
 ぼくらは週に一回、山奥で汲み上げたおいしい地下水を分けてもらって家まで運びます。台所で使います。10リットルタンクで4〜6個。車に乗せたり降ろしたりするだけでもけっこう重労働です。
 水道のなかったころ、水汲みはおんなこどもの仕事でした。聖家族では母マリアが、やがて少年イエスがその仕事をまかされたでしょう。地球上のあちこちでまだそういう生活を続けている人たちがいます。
 マリアは今、小さいイエスを負ぶって、坂道の下で水を汲んで帰るところです。おそらく毎日何往復もするでしょう。
 おとなになったイエスは知人の結婚式でマリアにうながされて水瓶の水をワインに変えます。それはイエスが行った初めての奇跡でした。人を活かす水は人を酔わせる最上のワインに生まれ変わります。その水もやはりだれかが汲んできた水だったでしょう。
 この絵が働く人の部屋に飾られて、小さな励ましになればいいなと思います。







題:「聖ルカ像」
画材:ケント紙に水彩絵の具
絵のサイズ:29.7×21センチ
完成日:2006年11月30日
T.Y.氏所蔵

画家の弁●集平
 2006年は新刊が3冊出て、連作個展の絵を描き続け、大学の授業も増えました。ひさしぶりに1年中みっちり仕事をしていました。そのことを感謝して、ぼくの守護聖人ルカの像を描きました。聖ルカを描くのは初めてです。
 ルカは新約聖書のルカ福音書と使徒言行録を書いたライターであり、最初の聖母子像を描いた画家であり、聖パウロの手伝いをしながら旅した医者だったと言われています。  聖ルカ像の多くは、イーゼルに立てかけた板もしくはキャンバスに向かう画家の姿が描かれています。ぼくはイコンを描く修道僧のように机の上に絵を置いて、テンペラで描く姿にしてみました。窓の外には彼が旅した地中海の陽光。白髪のルカは、ちょっと晩年の高田渡さんに似ていますが、これは意図したことではありません。
 画材は「サルコーデ・ナガサキ」に使っているサクラマット水彩を使いました。この絵の具の良さは実物を見たらわかると思います。
 ぼくはルカと同じくライターで画家ですが、医者ではありません。この絵を飾った部屋が医者ルカによって癒しの空間になることを祈ります。







題:「パパゲーノの笛を持つモーツァルト」
画材:ケント紙にサクラマット水彩
絵のサイズ:32×24センチ
完成日:2009年12月4日
M.M.氏所蔵

画家の弁●集平
 10月に父が亡くなった。その少し前から父が好きだったモーツァルトばかり聴いています。子どものころから聴いてきた曲が、まるで違って聴こえます。モーツァルトにこれまでなかった親しみを持ち、またおそろしさも感じています。これはぼくが初めて作品として描くモーツァルトの肖像画です。
 晩年のモーツァルト、といっても34〜5歳ですから、まだ青年らしいところもあります。その彼がひとりでいる時、たぶん子どもに買って与えたおもちゃの笛がそこにあったのでしょう。5音しか出ない笛をドレミファソと吹いて、中空を見ている。この笛は彼の書く「魔笛」でパパゲーノが持って登場します。題名の「魔笛」は王子タミーノの不思議なフルートのことですが、鳥をつかまえて生計を立てているパパゲーノの笛は実に愉快な小道具として生かされています。ぼくはずっと「魔笛」はこの笛だと思っていました。
 何かから何かに飛躍する、生成する、その直前の何もないところを見る目。ぼくにも身に覚えのあるそんな目が描けたでしょうか。本人に似ているとか似てないとか、そういうことはぼくにはわかりません。調べてみると、本人を知っている人の証言もばらばらで、モーツァルトはいろんな顔を持っていたようです。ですから、まあこれぐらいのハミダシはご勘弁願えるのではないかと思います。男前に描きたかったのです。彼の音楽は男前ですからね。モーツァルトの鳴る部屋に飾っていただけるとうれしいです。






題:「水を運ぶマリア」
画材:キャンパスボードにリキテックス
絵のサイズ:273mm×220mm
完成日:2011年8月2日
K.K.氏所蔵

2011年9月〜12月、東京・山梨・大阪などを巡回した「ぼくらの原始力展 原始の力に想いを馳せた59名の絵本作家たち」のために描きおろした作品。売上は運営費を引いた全額を、エネルギー問題で動く全国の団体か震災支援など、その時点で最も有効と思えるところに寄付されたそうです。

会場で絵の横に貼られた紹介文●
長崎に住んでいます。 1週間に1度か2度、ぼくらは自然の水を汲みに出かけます。遠出することもあります。 台所の水瓶に溜めて、飲み水にし、煮炊きをします。もう10年も続けています。
原発事故があってからは、この営みが前より特別のものになりました。 水汲みは昔から女性と子どもの仕事ですが、自分でやってみると水って重いです。 働き者のマリアもきっとこの重労働から1日を始めたんだろうとぼくは想像します。








題:『はせがわくんきらいや』変奏01
画材:ワトソン紙に墨汁
絵のサイズ:200mm×135mm
完成日:2012年12月1日
Y.A.氏所蔵







題:『小さなよっつの雪だるま』変奏01
画材:ワトソン紙に鉛筆
絵のサイズ:145mm×170mm
完成日:2012年12月1日
N.M.氏所蔵







題:『れおくんのへんなかお』変奏01
画材:ワトソン紙にサクラマット水彩
絵のサイズ:175mm×132mm
完成日:2012年12月10日
M.K.氏所蔵







題:『音楽未満』変奏01 ドビュッシー
画材:上質紙に水彩と色鉛筆
絵のサイズ:160mm×120mm
完成日:2012年12月10日
T.Y.氏所蔵







題:『すいみんぶそく』変奏01
画材:ケント紙に水性顔料ペンとリキテックスと色鉛筆
絵のサイズ:190mm×130mm
完成日:2012年12月11日
S.M.氏所蔵







題:『7月12日』変奏01
画材:ケント紙に水性顔料ペンと水性マーカーと色鉛筆
絵のサイズ:120mm×201mm
完成日:2012年12月14日
B.S.氏所蔵







題:「3.11の聖母」01
画材:ケント紙に水性顔料ペンとサクラマット水彩と色鉛筆
絵のサイズ:120mm×201mm
完成日:2012年12月17日
Y.H.氏所蔵







題:「3.11の聖母」02
画材:ケント紙に水性顔料ペンとサクラマット水彩と色鉛筆
絵のサイズ:150mm×100mm
完成日:2012年12月17日
H.Y.氏所蔵







題:『おさむ、ムクション』変奏01
画材:ケント紙に水性顔料ペンとサクラマット水彩と色鉛筆
絵のサイズ:120mm×140mm
完成日:2012年12月28日
N.E.氏所蔵







題:「長崎の猫」01
画材:ケント紙に水性顔料ペンとサクラマット水彩と色鉛筆
絵のサイズ:100mm×200mm
完成日:2012年12月28日
K.T.氏所蔵







題:「渡」
画材:古い木板にリキテックス
絵のサイズ:430mm×150mm
完成日:2017年2月10日
A.S.氏所蔵

「のろ支援」オークション……『はせがわくんきらいや』が出版されたのと同じ1976年から若者の街・吉祥寺の文化を生み育くんできたライブハウス&居酒屋「のろ」の存続の危機を救おうと、支援のためにいろんな人が動き始めました。東京時代にお世話になった集平もオークションのための絵を描きました。

※画像の無断転載を禁じます ©Shuhei HASEGAWA

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