ゆずみそ

「日毎の薬味」その38


 「ゆず味噌は、ゆずを丸のままよく洗って、酒と味醂をかぶるほど加えてほたほた煮つづけます。昔は火鉢の銅コの上にのせて、湯せんにして、トロトロの味噌になるまで二、三日かかって(途中でおろしたりしますから)煮つめたものですが、今は火鉢がないので、瀬戸引きか土鍋をガスの蛍火にかけて煮つめ、最後に湯せんにしています。これを素として味噌に練りあげたり、鍋物や湯豆腐、そばの汁にしのばせたり、魚の味噌漬に混ぜ入れたりいろいろの役に立ちます。そのまま大豆くらいのをなめると、禅味があります。これがほんとうのゆず味噌で、味噌とあめや砂糖で練りあげたのはゆず入り味噌です。」(辰巳浜子著『料理歳時記』より)

 つくってみました。ほんとうに「禅味」がありました。ぜひお試しあれ。




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