『笑いと治癒力』

「日毎の薬味」その23


 医者に「治らない」と言われて、それでも「治って」、なんだ「治せない」だったんだと思うことがしばしばあります。代替療法への無理解はまだまだ根強いものがあるようです。
 著者が膠原病に罹ったのは1964年のこと。そして文字通り病を「笑い」で克服します。その噂が広がり執筆の要望が高まりますが、誤解の恐れもあり、慎重に向かい合い、書き上げるまで15年を要しました。まさしく先駆の書であり、今でもなお新しい書です。ジャーナリストとして現代の医療現場の抱える問題の啓発の書でもあります。
 私たちの目ざす「心・息・動」の太極拳、心と身体全体の調和をめざし「自然治癒力」を高めるということがとても大切だと再確認する一冊です。
 「一笑解千愁 再笑消万愁」ですね。


●ノーマン・カズンズ著(岩波現代文庫)



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