空手着を着ましょう


 競技にはそれぞれにふさわしい稽古着があります。柔道には柔道の、野球には野球の、ゴルフにはゴルフの。以前、野球があまり知られていない欧州で、ゴルフウェアで野球をやっている姿を見たときは失笑しました。

 楊名時太極拳では道衣に黒帯、胸にはつがいの鶴のワッペンです。先生が考えて下さった私たちの大切なユニフォーム、これを身につけてこそ体得できる妙味があるはずです。大会はもちろん、稽古でも道衣が基本です。特に教室担当者は指導時着用との勧告が本部から出ています。

 半世紀かけて試行錯誤を繰り返しながら引き継がれてきた私たちの稽古着。楊名時先生担当の教室では毎週全員道衣、白一色の稽古風景はまさに“白鶴の舞”でした。指導員でようやく道衣の仲間入り。喜びとともに着用いたしましょう。



「空手着を着て太極拳をするというのも、楊名時太極拳が初めてです。柔らかさの中に強さがほしい。剛の中に柔がほしいと考えたからです。これからも空手着に黒い帯、鶴のマークを使っていきたい──楊名時」

『<太極>巻頭文集』から

 尊師重道、師を尊び道を重んじる。師家の残してくださった伝統を大切に太極拳道をともに歩んで行きましょう。

『傘寿記念 <太極>巻頭文集』楊名時著・日本健康太極拳協会




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