第4楽章 冬 37 如己堂への道  ----浦上アンジェラス通り


 15年前(※2021年時点)に描いた。ふとん店の看板は今はない。

 ♪季節季節が素通りする 来るかと思って見ていると 来るかのように見せかけながら 僕が居る代わりにというように 街角には誰も居ない──高田渡「石」より

 この二人は午後の日差しの中、浦上天主堂を背に如己堂へ向かっている。己の如く人を愛せという名の二畳の家。

 奥に浦上天主堂が見える。世界遺産のリストから浦上天主堂が外された理由は建物が新しいからということだったようだが、1914年に完成、45年に原爆で破壊され、59年に再建、81年の教皇初来日を機に改修されたことで価値が下がるなんてぼくには思えない。