姫路文学館開館30周年 絵本作家 長谷川集平の仕事展
絵本デビュー46年のキープ・オン・ロッキン!

オープニング記念
長谷川集平講演会「姫路〜名古屋〜東京〜長崎」

日時:2022年1月15日(土) 13:30〜15:00
会場:姫路文学館(兵庫県姫路市山野井町84)
参加者:80人

文●甲斐史子さん(「手帖 姫路文学館」Vol.123 報告より抜粋)
写真提供●姫路文学館




 傍観したり見下ろしたりする側じゃなく共感して泣く側にどうしたらなれるのか──常に「低いところ」に立って人間の心を丁寧に描いてきた集平さんの原点に、映画監督の叔父浦山桐郎や高校時代の親友N君の存在があることが、両者に共通する九州の炭鉱の町の風土性を絡めながら語られました。浦山監督の「青春の門 筑豊編」の描写や、集平絵本の名脇役である四角い顔の男の子に込められた真意などが鮮やかに解き明かされ、まさに創作の秘密に触れる時間となりました。



 講演の冒頭で「こんにちは、浦島太郎です。竜宮城からではなく、地獄から帰ってきたような気がしますが…」と語った集平さん。後日のツイッターにはこう書かれていました。「故郷を出て48年、その間に何十回も姫路に寄ったが、今回初めて帰ってきたと言えたのはなぜだろう」。姫路からできるだけ遠く離れたところを目指して歩いてきた集平さんのようやくの "帰郷" に、あらためて胸を熱くしたことでした。





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