挿絵

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は集平のコメント。

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出版年書名/作者/出版社/備考表紙
1978たくさんのおかあさん

今江祥智
あかね書房

絶版

●デビュー直後、今江さんが学年誌の連載の挿絵にぼくを起用してくれた。すごく緊張して絵を描いた。その時は切り絵、単行本は筆描き。連載中に伊豆や岩国に取材で行った。ああやって旅に慣れていったんだな。
1978
もしもし こちらライオン

上野瞭
理論社

絶版

●シューヘー・ガレージの猫Tシャツのイラストはこの本から。『はせがわくんきらいや』より『とんぼとりの日々』の方が好きやと言ってくれた上野瞭さん。彼から学んだのは今江さんや灰谷さんにはない変化球。
1979ワルのぽけっと

灰谷健次郎
理論社

1983年版(紫)
1984年文庫版(初版と重版別挿絵)もあった。
いずれも
 絶版

●灰谷さんの最高傑作だと思う。連載時は筆、単行本はペンで描いた。色鉛筆で描いた表紙も含めて、この版がベストだ。なぜ出版社は新版を出したがるのだろう。描き直したり画家を変えたり。目先を変えて売るため?
1980もしもし、こちらオオカミ

上野瞭
小学館

文庫
絶版

●少年が誘拐犯をそそのかして自分を誘拐させる。上野さんらしい変化球。この話も『もしもし、こちらライオン』も電話機が重要な小道具として出てくる。スマートフォンしか知らない子どもにどう見えるかな。
1980
おれたちのはばたきを聞け

堀直子
童心社

絶版

●堀さんとの初仕事。ぼくはキャンプで右手の中指に大きな石を落としてペンをちゃんと持てなかった。それでこの本のイラストは少し弱い線になった。それがこの作品のカラーに合ってた気がする。ケガの功名。
1980おれがあいつで あいつがおれで

山中恒
旺文社

絶版

●文庫版が出たあと旺文社は児童書をやめてしまった。他社から他の人が絵を描いた版も複数出ているが、海外版や映画「転校生」のポスターにも使われたオリジナルのオレの絵が一番いいに決まってるだろ。
1981ピラミッド帽子よ、さようなら

乙骨淑子
理論社

2010年復刊

1981雪の日のりんご

皿海達哉
金の星社

絶版

●皿海達哉さんの文章を初めて読んだ時、心の中に雪がしんしんと降りしきる感じがした。微かな狂気を孕む、その静寂を絵にした。この本の30年後に描いた絵本『小さなよっつの雪だるま』の中にも同じ雪が降っている。
1981ゴンちゃんなんばしよるとや?

飯田栄彦
学校図書

絶版

●飯田さんは彼の住む甘木をぼくが取材したと思ったらしいが、何も見ずに描いたそれは、会ったことのない祖父が帰れなかった故郷の風景だった。以来、絵本は自己表現だとぼくは言えなくなってしまう。
1982つの笛がひびく

堀直子
童心社

絶版

1982川とノリオ

いぬいとみこ
理論社
1983かぜのおくりもの

飯田栄彦
サンリード

絶版

●現代の少女がタイムスリップして昔の筑豊炭田に行く。出会った少年の父親が落盤事故に遭う。飯田さんのあの野太い声が聞こえてきそうな物語。魂込めて絵を描いたが、出版社は印税を払わないまま消えちゃった。
1984真夜中のクロスビー大佐

今岡深雪
旺文社

絶版

1984頭のさきと足のさき

山中恒
偕成社

絶版

●山中さんが書く障がい児は明るく気が強い。その後『オレは陽気ながん患者 心筋梗塞もやったぜ!』という本を書く山中さん。情緒的な子どもの本が戦争に利用された過去には戻らないぞという意志を彼は貫いている。
1985東京石器人戦争

さねとうあきら
理論社

2010年復刊

●新聞連載時の挿絵をそのまま使った。原始人の顔を保坂展人に似せて描いた。アスファルトの下から現れた石器時代が東京をパニックに陥れる。3.11で東京の虚構性を目の当たりにし、本作の先見性を再確認した。
1985電話がなっている

川島誠
国土社

絶版

●80年代のバブリーな風潮を受けて児童文学の性倫理も歪む。この本の根強いファンがいて復刊の話も何回か出たが、ぼくは断ってきた。この本だけは復刊しないでください。子どもたちの心に悪い影響を与えそうだから。
1986今江祥智3年生の童話 1

今江祥智
理論社

絶版

1986新ちゃんがないた!

佐藤州男
文研出版
1986ママはおばけだって!

山中恒
偕成社

絶版

●このころぼくは心身を病んでいた。ほぼ犯罪者の心理で生きていた。それが悪い方に出たのが『電話がなっている』で、ギリギリのところで面白味になったのがこの本だと思っている。山中恒さんとの仕事は楽しい。
1987今江祥智6年生の童話 2

今江祥智
理論社

絶版

1987泣こうかとぼうか

山中恒
あかね書房

文庫
絶版

1988あたしたちの時間(とき)

堀直子
理論社

絶版

1990ゴー・スニーカー

堀直子
教育画劇

絶版

1991ブンとエイととうちゃんと

高科正信
教育画劇

絶版

1991アイスクリーム・ドリーム

岩瀬成子
理論社

絶版

●成子(じょうこ)さんとの初仕事。東京時代最後の日々を反映するような不安定でアダルトな絵だ。成子さんは女性らしい感受性を包み隠さずきれいな言葉に置き換える。独特の文体に酔いながら絵を描いた。
1992たまごやきとウィンナーと

村中李衣
偕成社

絶版

●長崎に引越して間もないころに絵を描いた。李衣さんの社会の底辺を見る目、黒い線を感じる独特の文体にどうやって応えようかと考えて、描き方を工夫してみた。エッチングに見えるがエッチングではない。
1993ぬすまれた町
(全集 「古田足日子どもの本 」 第13巻)

古田足日
童心社

絶版

1994
灰谷健次郎のどうわ
 ようちえんほいくえん1


灰谷健次郎
理論社

絶版

1994ボクサー志願

皿海達哉
偕成社

絶版

●格闘家を同業者だと思ってきたぼくにしか描けない挿絵だと思う。「ボクサー」というすごい歌を歌ったサイモン&ガーファンクルへの敬意も込めた。それに気づき共感してくれる児童書の読者が少なくてもしようがないよ。
1994モモコ

高科正信
文溪堂

絶版

1998EE'(イーイーダッシュ)症候群

皿海達哉
小峰書店

絶版

1998チエと和男

丘修三
国土社

 

1999お父さんはともだちです

鹿島和夫
理論社

絶版

1999おれたちのドリーム・ファクトリィ

八束澄子
国土社

絶版

1999
エイジ -newspaper version-

重松清
朝日新聞社

絶版

●山本周五郎賞を受賞した『エイジ』は新聞連載に加筆したもの。新聞連載時の字と絵をそのまま載せたこちらはすぐに絶版になった。絵本出版の機会の少ないぼくを重松さんは励ましてくれた。恩がある。
2000メールの中のあいつ

赤羽じゅんこ
文研出版

絶版

●1990年代後半にパソコンやインターネットが普及する。児童書もその影響を受ける。メールの中で嘘をつくうちに嘘のキャラクターが一人歩きし始める。あえて解像度の低いデジタル画で時代の危うさを描いた。
2002生命'(いのち)しているか

伊規須美春
石風社

絶版

2005小さな小さな海

岩瀬成子
理論社
2014きみは知らないほうがいい

岩瀬成子
文研出版

第62回産経児童出版文化賞大賞

2015ぼくが弟にしたこと

岩瀬成子
理論社


目次
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