『絵本づくりトレーニング』





「音楽とは君自身であり、君の思想であり、君の知恵なんだ。もし君が真の生活を送らなければ、君の楽器は真実のひびきを持てないだろう。──チャーリー・パーカー」

「そして、絵本とは君自身であり、君の思想であり、君の知恵なんだ。もし君が真の生活を送らなければ、君の絵本は真実を語れないだろう。──シューヘー」

(カバー袖の言葉から)



世界で初めての本格的な絵本理論書。本に関わる基本的なあれこれから、モンタージュ論までスパッと説明。絵本づくりのノウハウが、これ一冊で見えてくる。実際に作って学べるおべんとう絵本は、誰でも入りやすく奥が深い。頭だけでなく、心への効き目も大きいと評判。絵本という扉からラジカリズムを標榜する一冊です。


各雑誌に掲載された書評から抜粋しました。

絵本とはいったいどんな構造と特質を持つメディアなのか。そしてそもそもなんのためのメディアなのか。言葉と絵との関係は──といった疑問に、若き絵本作家がエイゼンシュタインやらロラン・バルトやらまで引き合いに出しながら楽しく教えてくれる。
 こうして見ると、絵本の世界はまだまだ人跡未踏の奥深い処女林であり、かつまた過激な可能性に満ちたメディアであることを知って、ちょっと驚かされる。(「ポパイ」'89.1月号より)


しかし、読むだけでも面白い。著者の絵本観、ひいては人生観が随所に出てくる。たとえば彼は「ひらめき」を重視する考え方に疑問をはさむ。また、映画のモンタージュ理論を紹介すると同時に、日本映画界が表現方法を理論書として公開せず「師匠・弟子」関係の秘伝風にしたことを批判する。 (「熱と環境」'89.1月号より)

私たちが行う表現は、つきつめていくと、自分より後に生きていく子どもたちへの語りかけだから、かんたんな絵本を例にとって、著者は語りかけの技術を磨くように呼びかける。(中略)最後のところで、著者が戦争体験の伝え方を例にあげているのが印象に残る。体験のある人がない人に語るとき、ごく個人的な思い出にひたって、体験しない人はやっぱりダメね、というところに落ち着く。それは体験しない者も奮い立たせるような思想にまで、自分の体験をみがいていないのだ、そんな伝え方では、反戦なんて残っていかない、と。
 いちばんはじめに著者は言う。「絵本ひとつのことを考えるだけで、実にさまざまな問題にぶつかります。やがて、それは人生とか世界を考えるのと同じことになってしまうかもしれません」まさにその通りのおもしろい本だ。(羽根田周一・評「暮らしの手帖」'89.4-5月号より)




2009年6月より新装版になりました

しばらく品切れ状態が続いた『絵本づくりトレーニング』が、'09年6月に新装、増刷されました。
これまでより薄く、軽くて持ち歩くのにも便利です。カバーはピカピカのコーティング。ポップです。バブル時代に作ったリッチな装いの本ですが、この不況下で資材は値上がり。定価を上げるか印税を下げるかなんてジレンマの中で、軽装にするという集平のひょんなアイデアが採用され、増刷できることになりました。コンスタントに動くと、また品切れなんてことを防げます。みなさんどうかお買い上げを。プレゼントにも最適です。


写真:左…手前が新装版。ピカピカ! 写真:右…厚みの違い。右が新装版です。よりノートっぽくなりました。


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